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ドイツ環境スタディツアーの巻き
《木質バイオマス発電施設》
出ました「地域暖房」!
電気とお湯のバリューセット!

 バイオガス発電の燃料にはいろいろありましたね。生ごみ、家畜糞尿、エネルギー植物… どれも共通しているのが、それらを発酵させてバイオガス(主にメタンガス)を取り出し、それを使って発電する点です。

 しかし今度のは違います。今度のはバイオマス。ぶっちゃけ、「木片を燃やして発電する」のが木質バイオマス発電です。「Kraftanlagen Anlagentechnik Munchen GmbH」(クラフトアンラーゲン・アンラーゲンテクニーク・ミュンヘン)は2001年6月にオープンした、世界最大級の木質バイオマス暖房発電所です。

 今回は先に工程を見ていただきましょう。

燃料 森から出るおがくずや製材所の廃材をチップ状にしたもの
 ※ 地元林業農家らでつくるエネルギー木サービス業者が製造
過程 燃料を搬入

ボイラーで燃やす

を作る

蒸気を作る

タービンを回して発電

地域暖房用に
130度で送り出す

企業が湯として使用する
企業、病院、役所、学校、各家庭へ供給

地域暖房用の湯は
80度で戻ってくる
年間のおがくず投入量 8万t
年間発電量 4000万kWh
年間熱生産量 1億2000万kWh
肥料(灰)の年間生産量 1000t
初期投資コスト 3400万ユーロ(約46億円)
 ※ 企画・建設費、今のところの地域暖房設備費すべて含む
特長 不要物だった木を使って湯と電力を生産することで、林業、消費者(地域)双方にメリットを生む

 ひっじょ〜に複雑ですね。

 簡単に言うと、木片を燃やしてお湯を沸かし、地域暖房用のお湯企業用のお湯電気を、地域に供給している施設です。いわばバイオマスのバリューセットを提供しているのです。もちろんバリュー価格で(?)。

 ここでいう地域暖房というのは、水道管のようなかんじでお湯の管を各家庭にめぐらせて、家の壁や床にお湯を通す仕組みの暖房です。日本の冬のように、各家庭がバラバラにエアコンをつけるより、ずっと低コストですね。

 発電のほうも、(企業を考慮しなければ)2万2000人が住むこの町の全家庭の電力が、この施設だけでまかなえる計算です。電気の自給自足ができるんです! なんと!

注意!!  写真の上にマウスポインタをあてると、坂田光永の独断と偏見に満ちた解説が表示されます。解説が長いところは、表示が出たあと写真の上でポインタを動かしてみてください。ちょこちょこ動かしている間は、表示が消えないと思います。見たくない人は、絶対に写真にマウスを会わせないように気をつけてください!

あの天下のBMW社のエネルギー節約なども請け負うコンサルティング会社が、このプラントを設立しました。プラント建設には、実は反対運動も起きましたが、住民投票の結果オッケーが出まして、設立と相成りました。騒音も悪臭も全くなっしんぐ

作業服なんか着て、気分だけはエキスパートな我々♪さまざまな大きさの木片が、ここに搬入されてきます。この倉庫を満杯にすると、10日分の量になるそうです。

木片をボイラーで燃やした後、できたお湯は管を通って地域へ。お湯は地域を駆けめぐる

木質チップの灰は肥料になる木を燃やした後の灰は、有害な10%が取り除かれて、良質の肥料に。そこらへんに生えてる木でも、有害物質があるんですね。ある意味、感心。

 おさらい。木質バイオマス発電とは、木片を燃やして発電する仕組みでした。以上!

 あれあれ、それってホントに環境にいいの?

 一見、燃やすんだからCO2が排出されるし、森林伐採にもつながるし、いかにも環境に悪そうですね。でも、実はそんなことないんです。

 まずCO2に関して。木は成長過程で光合成をします。そのとき吸ったCO2は、木が燃えようが、燃えずに腐ろうが、結局は大気中に放出されるんです。プラマイゼロってわけ。これをギョーカイではカーボン・ニュートラルと呼びます。

 また森林伐採に関しては、当然、植林された木を使うようにしなければ、乱伐につながります。ですがむしろ人工林からは、間伐材、木くず、使えない製材くずなどが大量に出ます。低迷する林業にとって、無駄になっていたものが木質のエネルギー源として復活するわけだから、これは魅力的な収入源ですよね。

 人工林から出る不要物で発電ができ、しかもお湯を地域にめぐらせて地域暖房を提供する…。こんなおいしい仕組み、ニッポンの村も、やるしかないでしょう!

見学 2003年5月21日(水)



《ドイツの現状と環境政策》 まずは予備知識。ドイツは脱石油エネルギー&脱原発を目指します
《生ごみバイオガス発電施設》 「エネルギーを使って処理」は古い! 生ごみからエネルギーと利益を生み出す!
《農業用バイオガス発電施設 -大規模編- 》 農業を救え! 必殺、エネルギー植物
《農業用バイオガス発電施設 -小規模編- 》 小さくてスイマセン(笑)。有機農業と発電やってます
《木質バイオマス発電施設》 出ました「地域暖房」! 電気とお湯のバリューセット!
《おまけ》 楽しいたびの思い出は、ぼくらの再生可能エネルギー
《旅後》 技術はあるけど社会政策がない国・ニッポン!

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○外務省ホームページ「各国・地域情報 ドイツ連邦共和国」

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